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2019/11/21 13:06

ミャンマーにある景勝地ニャウンシュエ

今回の旅では、ミャンマー在住の日本人、鈴木さんから事前に情報を頂き、最初からヤンゴンを飛ばしてニャウンシュエという街に行ってきました。

(関連blog「インレー湖にある日本人経営のオーガニックカフェ(ミャンマー)」)

 

ニャウンシュエは、ヤンゴンからバスで11時間、インレー湖という湖のほとりにある小さな小さな田舎町でした。

 

自転車を借りて走ると、市街地であれば端から端までで30分もかからない。

のんびり歩いても、1時間程度で歩けてしまいます。

 

 

少し離れた場所にワイナリーがあったのですが、そこが自転車で30分程。

本当に小さな街でした。

 

初めてみた「湖上に建つ家」と「そこに住む人達」

鈴木さんから「インレー湖はキレイですよ」と勧められ、ツアーを組んでもらいました。

朝8時半にガイドさんがゲストハウスに来てくれて、バイクに乗ってボート乗り場に行ってボートに乗ります。

 

インレー湖はとても広い湖(といっても琵琶湖ほどではない)ですが、左右を山に囲まれた場所にあるため、波が穏やかで鏡のような水面をボートが走ります。

 

しばらく走ると、水上で地元の人達が漁をしている姿が見えてきます。

 

そして、観光客を喜ばせるためにポーズをとってくれるおじさんも。

 

そしてその先を見ると、水上に建物が建っています。

あまりの大きさに、一瞬「陸地?」と思った程。

 

 

そこは水上に建てられた観光客用のホテルだったのですが、その先しばらく行くと、多くの家がずらっと並ぶエリアに到着しました。

湖の上で人が住む。すごいなぁ。

 

家もレストランもお店も工場も全部湖上にある町

とにかくものすごい数の建物が建っています。

 

 

家だけじゃない。レストランがあって、ミャンマービールの看板が掲げられています。

ホテルもあります。銀細工やお土産を販売しているお店もあります。

そして極めつけは織物工場まで。

水上に町があるなんて、ドラクエの世界みたいだ!と感激ひとしおです。

 

インレー湖の織物工場

そこの織物工場は、蓮(=LOTUS)の繊維から作った糸を使って、生地を織る工場でした。

 

中に入ると、今の日本では見ることができない木製の機織り機が数台あり、地元の女性が生地を織っています。

そして、工場の中では、他にも蓮の繊維を取り出して糸を撚る人、染色する人、柄を考える人等、数名の方が共同で作業をしていました。

 

LOTUSは、ミャンマーでも非常に高価です。

採取できる量が少ない上に、生育シーズンがあるため年中採取できないことや、糸を作るのに手間がかかることが理由です。

そのため、コットンと比べて10倍以上の値段が付いていました。

 

  

そこで、その工場ではLOTUS100%の生地以外に、シルクと組み合わせた生地や、コットンで作った生地なども製造していました。

LOTUSの繊維は、コットンと比べると少し太く、繊維の太さに凹凸がありごわごわ感があります。

着色をせずにそのまま生地にしていると、少しごわついた麻の生地のような感じで、とても自然な風合いに心が惹かれました。

自然を感じられる一品です。

 

湖上でトマトも栽培しているインレー湖

帰りのボートの上で、ガイドさんが教えてくれました。

向こうに見える緑の生い茂る場所を指さして「あそこに見えるのは、トマトを栽培している場所です。」

「え?トマト?」

英語での説明なので、一瞬聞き間違えたかと思って何度か確認したのですが、「トマトを栽培している」と言っています。

 

そのうち、その「トマトを収穫している」と思われる地元の農家(?)さんらしい人が乗っている船の近くを通り過ぎました。

すると、その農家さんが、トマトを1つ投げくれたんです。

 

「おおっ!本当にトマトだ!」

 

ガイドさんによれば、もともとは山に住んでいたのだけれど、ある人が山を下りて湖まで魚を取りに来るのが面倒になったので、水上に家を建てて住むようになった。

しかし、それだと山で取れる食材が手に入らないからどうしようか、と考えて、山から浮草を持ってきた。

その浮草を湖上で繁殖させて寄せ集めたのが、このトマトの栽培地なのです、とか。

 

湖と住むインレーの人々

インレーでは、人々が湖上で生活をしていました。

日本で普通に暮らす自分にとっては、「わざわざどうして」という思いは無きにしもあらずでしたが、インレーの人達は湖と一緒に生きる知恵を長い年月をかけてはぐくんできたのだなぁと思います。

私達日本人も、長いこと自然と共に暮らす経験をしてきたのですが、この200年ほどの間に「効率性」や「経済発展」を優先した街づくりを進めてきたこともあり、自然との距離が随分と離れてしまったように思います。

この200年間の変化や今のライフスタイルを捨てて昔に戻ろう、ということを言うつもりはありませんが、自然と一緒に生きる生活には、隙間と余裕、そして気持ちのゆとりが得られます。

少子高齢化で人口が大きく減少することが確実な未来に向けて、これからの街づくりをもう少し「自然と共にすごす」をキーワードにしてみてもいいかもしれませんね。